◎東北大病院腫瘍内科副科長 高橋雅信准教授
がんは1981年から日本人の死因第1位の疾患です。2人に1人はがんにかかり、3人に1人(年間約37万人)ががんで亡くなる時代です。臓器別にがんの死亡数をみてみると、肺、大腸、胃、膵臓(すいぞう)、肝臓の順となります。
<5~10%が該当>
がんにかかる原因はいろいろあります。主に喫煙や飲酒、食物などの生活習慣ががんの発症リスクを上げるとされています。また、一部のがんでは、細菌やウイルスによる感染ががんの原因となります。胃がんでのヘリコバクターピロリ菌、肝臓がんでのB型あるいはC型肝炎ウイルス、子宮頸(けい)がんや口腔(こうくう)がんなどのヒトパピローマウイルスなどです。
これら生活・環境因子が発症に寄与するがんが大部分ですが、5~10%程度、遺伝が原因でがんにかかる方もいらっしゃいます。乳がん患者さんの5%程度、卵巣がん患者さんの10%程度は、遺伝性乳がん卵巣がん症候群とされています。また、大腸がん患者さんの2~3%程度は、遺伝性大腸がん(リンチ症候群や家族性大腸腺腫症など)とされています。リンチ症候群の場合、大腸がんだけでなく、子宮体がんや尿路系のがん、また膵(すい)がんや胆道がんなどを発症するリスクもあります。特に遺伝性乳がん卵巣がん症候群とリンチ症候群は、がん以外の遺伝性疾患を含めても最も頻度が高い疾患の一つで、それぞれ全人口の200人から300人に1人は原因遺伝子の変化を持っているとされております。この頻度からは、疾患というよりむしろ体質あるいは個性といえます。
<親の疾患に注意>
遺伝性乳がん卵巣がん症候群とリンチ症候群は、常染色体優性遺伝を示します。すなわち、両親の片方がその疾患の場合、子供に遺伝する確率は2分の1です。これらの疾患だと分かった場合、それぞれのがんを早期発見するために画像検査を20~25歳以降定期的に行うことが推奨されています。
家族の中で、特に、乳がんや卵巣がん、あるいは大腸がんや子宮がんに1~2名以上、特に40~50歳以下でかかった方がいる場合、これらの遺伝が原因の可能性があります。画像検査などを早期から受けていただいた方がいい場合もあります。また実際にがんが発症した方には遺伝子検査を行うことも選択肢となります。今年、がんの遺伝子パネル検査(がん細胞での数百のがん遺伝子の変化を一度に調べる検査)が保険承認となり、それに伴い今後遺伝性のがんの診断が増加するといわれております。ご心配な点がありましたら、かかりつけ医や地域のがん診療連携拠点病院などにご相談ください。
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