うたの泉(1097)ソプラノでありし少年の日の声は もう戻らないもののひとつだ/萩原慎一郎(はぎはら・しんいちろう)(1984~2017年)

 もう戻らないもの。たくさんあります。その一つが自分が少年だった日の声なのだと。少年だった「頃」ではなく「日」という限定が効いています。第二句を字余りとして第三句に流れる。上句で切れないまま下句へと流れ「~だ」という口語の言い切りで閉じるリズム。作者のため息のような息遣いを感じます。<引き寄せてそして言葉を抱きしめる三十一文字を愛するわれは>。短歌と出合い愛し求めた、少年から青年へと成長した姿が見えます。(駒田晶子)

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