うたの泉(1130)実務には役に立たざるうた人と/我を見る人に/金借りにけり/石川啄木(いしかわ・たくぼく)(1886~1912年)

 年の暮れも差し迫ってきました。落語には、大みそかに繰り広げられる借金を巡る人々を題材にした演目が多くあります。金を貸す人と借りている人との関係性、人間味にあふれています。啄木はよく借金をしました。そして返さなかったらしい。掲出歌、自分を「役に立たざるうた人」と認識しています。だからこそ、そう見られている、と分かるのです。でも、そう思っている人からも、お金を借りる。啄木の駄目さと愛嬌(あいきょう)に満ちている一首です。(駒田晶子)

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うたの泉

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