◎東北大病院 総合外科乳腺・内分泌グループ科長 石田孝宣教授
乳がんは女性の9人に1人が発症する、女性の罹患(りかん)率が最も高いがんです。最近、話題に上るのが「遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)」です。乳がん全体の約5~10%は、遺伝子変異が原因で発症すると考えられています。この遺伝性乳がんの約半数が「BRCA1/2」という遺伝子が原因とされ、この変異を有する方がHBOCとなります。
これまでは乳がんを発症し、転移・再発された方しか公的医療保険でこの遺伝子変異の検査を受けられませんでした。今年4月からは、乳がんや卵巣がんの診断がついた時点で、一定の基準を満たした患者さんに保険が適用され、遺伝子変異の検査を受けられるようになりました。
■予防切除も対象
また、この検査で遺伝子変異があると診断された患者さんは、がんを発症していない乳房や卵巣などを予防的に保険で切除できるようになりました。これは、画期的な進歩と言えます。
こうした遺伝子検査や予防切除は、どこの医療機関でも受けられるわけではありません。希望される方は、がん診療連携拠点病院などに設置される「がん相談支援センター」や、乳腺専門医にご相談ください。
乳がんの治療には、体のある部分に効果が期待できる局所療法と、体全体に行き渡る全身療法とがあります。局所療法の代表は、手術や放射線療法です。一方、全身療法は各種の薬物療法になります。
乳がんの薬物療法には、大きく分けて2種類あります。それぞれの患者さんのがんの性格をあらかじめ調べて、がんの性格に適合する人のみに使える薬剤と、乳がんであれば誰にでも使える薬剤です。
■タイプ別に使用
前者の代表が、ホルモン(内分泌)療法や多くの分子標的療法です。標的となる因子を持つ患者さんのみに使える薬剤ですから、全ての方にというわけにはいきませんが、その分、効果が期待できる可能性が高くなります。
一方、後者の代表が、一部の分子標的療法と化学療法(抗がん剤)です。誰にでも使える利点がありますが、効果があるかどうかは使ってみなければわかりません。
乳がんに対しては、毎年のように新しい薬剤が開発されています。その大部分が前者の標的を有した薬剤です。われわれはまず、個々の患者さんに標的があるかどうかを調べ、標的がある場合にはそれに合った薬剤を使うことができます。
こうした新規の薬剤の代表が、抗HER2薬や免疫チェックポイント阻害薬、PARP阻害薬、CDK4/6阻害薬などです。これらはそれぞれ異なったタイプの乳がんに効果が期待できる薬剤として世界中で注目されています。
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