デスク日誌(1/14):白い闇

 厳冬期、山形県内の国道で「ホワイトアウト」に遭遇したことがある。
 積もった雪が地吹雪で舞い上がり、前方は真っ白になった。まるで「白い闇」。目を閉じて車を運転しているのと同じだ。危険なので停車していると、右側の反対車線に止まっていた車に、後続のトラックが「ドン」と追突した。
 窓を開けて「大丈夫ですか」と呼び掛けると、追突された運転手は車の外に出て「こっちは大丈夫。あんたも止まっているとぶつけられるぞ」と叫ぶ。雪が積もった側道に逃げ込めるスペースはない。前に進むしかないのだ。
 再びハンドルを握り、のろのろと前進。脂汗が出てきた。幸いにもカーブがなく、道路脇への逸脱は避けることができた。どれくらいたったのか。やがて周囲に建物が見え、白い闇から脱出したことを悟った。
 当時を思い出すと、視界不良の中で進まざるを得ない状況は、コロナ下の、先行きの見えない今と似ている気がする。止まるわけにも、ダッシュするわけにもいかない。少しずつ、慎重に前進するしかないのだろう。やがて白い闇が晴れてくるのを信じて。
(生活文化部次長 加藤健一)

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