社説(2/8):コロナ禍の花粉症/感染リスク増大 一層注意を

 日本人の国民病とも言われる花粉症の季節がやってきた。新型コロナウイルス感染症が拡大する中で迎えることしは、地域によって昨年を上回る飛散が見込まれている。コロナの感染リスクが花粉症によって高まる可能性もあり、例年以上に慎重な対応が求められる。
 日本気象協会の予測では、ことしのスギ・ヒノキの花粉飛散量は例年比で少なめで、東北は昨年並みだが、関東甲信越は昨年の1・8倍、北陸では2・7倍とされる。仙台では今月25日ごろに飛散が始まり、来月ピークを迎える予測だが、すでに症状が出始めている人もいる。
 国内で新型コロナの感染が初めて確認されたのは昨年1月。昨年もコロナ禍に見舞われる中、花粉症の時期を迎えていたが、感染者数は今からみると、かなり少ないレベルだった。
 現在は、首都圏をはじめとした地域で政府の緊急事態宣言が出され、経路不明の市中感染が広がるなどより深刻だ。宣言は7日までの期限が1カ月延長された。
 製薬企業「ノバルティスファーマ」が1月、花粉症による「くしゃみ」などに関するアンケート結果を発表した。新型コロナ感染拡大により、「他の人のくしゃみが気になるようになった」人は8割以上。うち、相手がマスクを着けていても71%が気になるという。
 日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー学会理事長の大久保公裕日本医科大教授は「無症状の感染者が花粉症の場合、くしゃみなどで拡散リスクが高まる」と警告する。
 花粉症によるコロナ感染のリスクはそれだけではない。「目や鼻に症状が出れば、どうしても無意識に顔を触る回数が増え、手を伝って接触感染したり、させたりする」と大久保氏は指摘する。
 確かに、鼻がむずがゆくなってこすったり、マスクを外して鼻をかんだりということは頻繁になる。
 アンケートでは「目がリスクになる」という認識が相対的に低かったが、コロナの発生初期、中国・武漢で警告を出したのは眼科医で、結膜からの感染で広がったという。目をこすることもリスクだとのメッセージだ。
 コロナの感染防止策として、室内の小まめな換気が重要とされ、飲食店などでドアや窓を開放する機会は多い。そのため、室内に花粉が入り込むのもジレンマとなる。
 コロナ禍では、花粉症の症状やその対応が、感染を広げたり、自身がウイルスを取り込んだりする危険性を高めることを自覚した行動が求められる。
 一方で「花粉症は毎年のことなので、慣れてしまい、治療しないままの人が多い」と大久保氏は言う。通院などで適切な治療を受け、症状を抑えることがコロナ対策になるということも意識したい。

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