河北春秋(2/17):かつてバブル経済が崩壊した直後に、英国の…

 かつてバブル経済が崩壊した直後に、英国のあるエコノミストが著書でこう言っていた。「日本の金融市場では、ニュートンの万有引力の法則が当てはまらないと思い込んでいる人が多すぎた」▼ここで言う万有引力の法則とは「上がったものは下がる」。1989年12月、日経平均株価が過去最高の3万8915円を付けた当時は、さらに高値を更新すると専門家でさえ考えた。ところが翌年秋には半額近くまで下落、バブルは崩壊した▼どうやらバブル経済の再来のようにも見える。日経平均株価が約30年半ぶりに3万円を突破するなど、実体経済とは懸け離れた高値を続けている。コロナ禍に対応した世界の金融緩和マネーが株式市場に向かっており、そのための株高らしい▼今後の株価の動きについて、エコノミストの見方はさまざま。新型コロナの収束で経済活動が正常化すれば株価は元の水準に戻る、いや、最高値を更新する可能性もある-。経済予測というものは、占いと同じく「当たるも八卦(はっけ)、当たらぬも八卦」▼「景気の体温計」。株価はそう言われるが、この体温計、必ずしも正確とは言えない。今の株価水準が日本経済の実力でないのは衆目の一致するところ。バブル後遺症の苦い経験を踏まえると、過熱する株価が心配になる。(2021・2・17) 

関連タグ

河北新報のメルマガ登録はこちら
先頭に戻る