東日本大震災の発生から間もなく10年を迎える。津波被災地はハード整備がほぼ完了し、被災者の心のケアなどに軸足が移行する一方、東京電力福島第1原発事故の対応など課題は依然として多い。岩手、宮城、福島3県の知事に復興の現状、今後の課題を聞いた。
-東日本大震災から10年がたつ。自己採点は。
「ハード面はほぼ想定通りに進んだ一方、被災者の心のケアなどソフト面に課題が残る。復興に向けて全力投球してきたが、点数は付けられない。評価するのは県民、特に被災者だ」
-自助、自立を掲げた。
「どんな災害も風化し、支援はなくなる。だから『自らの足で立ち上がるためのお手伝いをする』と言い続けた。それが(県政の)望ましい姿だと思う」
-津波で被災した沿岸部は一変し空き地も目立つ。
「企業誘致、レジャーランド誘致と言うのは簡単だが、現実は厳しい。大幅な人口減による衰退を少しでも遅らせたい。仙台空港(名取市、岩沼市)24時間化など創造的復興は、外から人を呼び込んで活性化するための策だ」
-巨額を投じた防潮堤など過剰投資はなかったか。
「水掛け論になるが、整備は必要十分と捉えている。過剰と判断されれば、国が(予算を)認めていない。防潮堤は『宮城県沖地震(1978年)の時に整備されていれば』との思いがずっとあった。今回を逃せば、あれだけの施設は二度と造れない。批判があるからとやめてしまっては、人の命は守れない。いずれ歴史が評価する」
-震災10年を前に、東北電力女川原発(女川町、石巻市)2号機の再稼働に同意した。
「『原油依存社会からの早期脱却』が本音。残念ながら再生可能エネルギーだけでは不安定だ。風力やメガソーラーを設置しようにも、実際は立地候補地で反対運動は多い。技術がより進歩するまで原発は必要だろう。ただ、最後まで自分の意思は明かさなかった。県議会や地元自治体が反対したら、やらなかった」
-残された課題は何か。
「ソフト面は息の長い対策が不可欠。阪神大震災(1995年)は25年でだいぶ落ち着いたとされる。宮城も四半世紀はかかる」
-創造的復興に向けた次のテーマは。
「県人口は今後の25年間で50万(22%)減る。新型コロナウイルス禍より恐ろしい現実だ。『民間の力を活用した、スリムで筋肉質な行政体』を強く打ち出し、(人口流入による)社会増を目指す。観光客はもちろん、労働力を外国から招く視点が重要だ」
(聞き手は報道部・土屋聡史)
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