デスク日誌(3/30):こぼれ話

 記者と原稿のやりとりをしていると、「おい、そっちのエピソードの方が面白いじゃないか」ということがよくある。こぼしてはいけない話という意味で、「こぼれ話」と勝手に呼んでいる。
 取材相手が何げなく話した一言やぼやき、例え話の中に本質を象徴し、記事に臨場感を与える内容が眠っている可能性がある。相手の表情やシチュエーションなどもそうだ。
 こぼれ話は日々の取材の中に転がっている。取りこぼさないようにするには経験を積むしかないのだが、記者と話す中で「そういえばこんなことを言ってました」と思い出させるのもデスクの仕事だ。
 手っ取り早く、取材ノートの取り方を見直すのも一案かもしれない。自分は取材の後に廊下や車の中でノートを読み返し、記憶を元に書き切れなかった話を余白に残すようにした。振り返ると余白の話の方が役に立った気がする。
 大した工夫ではないが、「ノートの取り方なんて教わるもんじゃないよ」と考えていたせいで、こぼれ話を書き足すようになったのは記者になって、かなりたってからだった。
(秋田総局長 久道真一)

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