ベガルタ・FW西村 磨き上げたゴール前の嗅覚 2年ぶり古巣に復帰

復帰後初の全体練習で体を動かす西村(中央)=2020年4月3日(J1仙台提供)

 J1仙台にFW西村拓真(23)が約2年ぶりに復帰した。2018年の加入4年目には半年ほどで11ゴールと急成長を遂げ、シーズン途中で生え抜き選手として初めて海外移籍。高い向上心で磨き上げたゴール前の嗅覚と猛烈な推進力を武器に海外で戦った。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大で戻る決断をした古巣で、積み重ねた経験を生かす。

 18年の急成長には目を見張るものがあった。リーグ開幕から4戦連続でベンチスタートが続いたが、初先発した長崎戦で決勝ゴール。相手DF2人が重なってボールがこぼれた好機を逃さなかった。

 第7節の名古屋戦では全3得点のうちボレーシュートなどで2ゴールを挙げ、先制点にも絡んだ。「練習で取り組んだことが少しずつ試合に出ている」と手応えを語った。第11節の札幌戦は鋭いドリブルで中央突破を図ってゴール。「仕留めるイメージができた」と力強かった。

 勢いは加速する。第13節の湘南戦でPKを含む2ゴール。天皇杯2回戦でJ3群馬にハットトリックを決めたのを挟み、7月の第17節の鳥栖戦、第18節のC大阪戦で2戦連続ゴール。8月にも3戦連続ゴールで2桁の大台に乗せてアピールし、9月にCSKAモスクワ(ロシア)への完全移籍を勝ち取った。

 躍進の理由はゴール前での的確な位置取りと鍛え抜いた体で繰り出す突破力の高さ。当時、指導したコーチは「技術に自信が付いたので、相手の動きをしっかり見ることができている」と明かした。

 支えたのは高い向上心。頭角を現し始めた4月中旬、渡辺前監督が「一皮むけたんじゃないか」と評価したが、本人は「『皮』が厚過ぎる。もっと成長しないといけないし、できると思う」。居残り練習を重ねるなど自分を磨き続けた。海外移籍する際にも「下からはい上がる雑草魂はぶれずにやっていく」と闘志をむき出しにした。

 CSKAモスクワではロシア・プレミアリーグに17試合出場し2得点。今季途中までポルトガル1部ポルティモネンセでプレーした。復帰後、ビデオ通話による報道陣の取材に「(海外では)日本でやってきたものと何も変わらないし、積み重ねたもの。何が成長したのかというのは見て感じてもらえればいい」と鋭い目で語った。

 以前は「30」だった背番号は新たに「15」に決まった。感染拡大によるリーグ中断で、チームはオフが続く。「とても光栄」と言うユアスタ仙台で再び輝きを放つため、力を蓄える。(原口靖志)

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