河北春秋(9/26):密談、接待に、賄賂。料亭は政界の闇を覆う…

 密談、接待に、賄賂。料亭は政界の闇を覆う舞台にしばしばなってきた。どことなく後ろ暗いイメージは、使う側のモラルの問題。多くの店は粋を尽くした料理でもてなし、文化も育んできた▼例えば仙台市太白区の東洋館。遠くに太平洋を望む老舗は土井晩翠らが通い、阿部次郎が連歌の会を開くなど、文化人にも愛された。今年、114年の歴史にいったん幕を閉じたが、事業承継により営業を再開、料亭の灯は守られた▼県境を越えた隣の山形市には、老舗料亭6軒が名を連ねた「やまがた六曜会」がある。2016年と18年に2軒が閉店したものの、残る4軒が「やまがた舞子」の育成を支えてきた▼華やかで凜(りん)とした舞子(舞妓(まいこ))、三味線を奏でる芸妓らが映えるのはお座敷文化ならでは。江戸期の北前船が運んだ京文化の系譜ともいう。ただ、4軒のうち、千歳館が今月末で休業する。大正期に再建された鹿鳴館調の建物は国の登録有形文化財で、古くは原敬、戦後は竹下登の元首相らも訪れた▼慶弔事や各種会合などで親しまれたが、コロナ禍の逆風を受けた。山形商工会議所の矢野秀弥会頭は「大正ロマンが漂う建物は、壊せば元には戻らない。京文化の流れも大切にしたい。いずれ再開を」。逆風に耐える多くの市民の願いでもある。(2021・9・26)

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