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規格外野菜をロッカー販売<田代農園>

特集/非接触のポテンシャル

規格外野菜がある日は9:00~10:00に並べる。売り切れ次第終了なのでお早めに
コインロッカー型販売機は収納庫の中にあり、雨でも買い物しやすい
「元々自分は野菜が好きじゃなかったけど、子どもたちにおいしい野菜を食べさせたくて。石巻の工場で作った魚のエキスを肥料にしたこだわりの土で野菜を作っています」と田代さん
お金を入れて野菜を取り出す。両替機はないので100円玉は忘れずに

 コインロッカー型の販売機はスーパーマーケットや飲食店が集まる商業エリア裏手の行き止まりにある。知る人ぞ知る場所であり、常連は近所の高齢者が多いそうだ。

 販売機に入っているのは、就農10年の田代農園・田代涼さんが泉区松森の畑で作った野菜たちだ。田代さんは軟らかく煮崩れしにくいダイコン「本宮」、スイカ並みの糖度のニンジン「彩誉」など厳選した6品種の野菜を育てている。夏は枝豆が大人気。ほとんどは仙台市、多賀城市、塩釜市で展開する「産直やさいばこ花京院市場」に納品するが、形が悪かったり、折れたりした規格外の野菜はコインロッカー型販売機で破格の100円か200円で販売する。

 田代さんは「売っているのは傷物。見た目は悪くても味は全く問題ないので、店頭よりお手頃な価格にしています。お宝を見つける感覚で楽しんでもらえれば」と笑う。

 基本的に朝採り野菜だが、翌日まで残ると「見切り品」のタグを付けて増量して販売。販売機のおかげで「廃棄がほとんどありません」。食品ロス削減につながる、すてきな「非接触」だ。

仙台市泉区市名坂清水端59
TEL022-372-3175

田代農園

(河北ウイークリーせんだい 2021年12月16日号掲載)

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