仙台四方よし「宣言企業」 セント【PR】
仙台市は売り手よし、買い手よし、世間よしの「三方よし」に、働き手よしを加えた「四方よし」を実践する地元企業を顕彰している。2020年1月からは、四方よし企業として積極的に取り組む「宣言企業」を募り、その普及を進めている。広がりをみせている四方よしの最前線を紹介する。
オフィスのトータルソリューションの提供を主な事業とするセント(仙台市青葉区)は、2021年9月、仙台市の「仙台『四方よし』宣言企業」に登録された。働き方改革の一環でペーパーレス化やテレワーク環境の整備などに取り組み、そのノウハウを伝えるセミナーを無料開催している。
セントでは2015年頃から働き方改革と仕事の効率化、生産性の向上を同時に実現する取り組みを始めた。まず、着手したのは、稟議書やファクスなどのデジタル化、ペーパーレス化だ。
紙がなければ回らない仕事をなくせば、働き方は大きく変わる。しかし、なじんだ仕事をガラリと変えることは想像以上にハードルが高かった。木須社長は「オフィスの課題解決を生業とする我々自身が、まず変わろう」と社員を鼓舞し、数年がかりでやり遂げた。
届いたファクスはこれまで帰社後にしか確認できなかったが、メール転送ができるようにした。外出先でも確認できるようになり、お客さまとのやり取りがスムーズになった。また、外出先と会社の行き来に要していた時間を訪問に充てられるようになり、顧客と接する機会や時間が増えたという。
2021年3月からは、ペーパーレス化をはじめとする同社の取り組みを紹介するプライベートセミナーおよびオフィスツアーを無料で開催。希望する企業に1対1または1対2でノウハウを伝え、オフィス内を案内する。これまでの10カ月で36社が参加し、「同じ取り組みをしたい」と商談に進むこともあるほど好評だという。
「地方の企業が、会社規模などの実情に合わせどう取り組んでいるか、というところに親近感と関心を持っていただいているのでは」と木須社長。
これまでも組織を超えたフラットでオープンな関係づくりを実践してきたが、コロナ禍により新たなスタイルでのコミュニケーションが求められるようになった。
もともと、営業部門と保守サービス部門が別フロアで、顧客の情報共有が滞りがちになるという課題があった。そこで両部門をワンフロアにしようと、オフィス内の壁を取り払い、大量の書類が詰まったキャビネットをすべて撤去。書類は仕分けし、必要なものはすべてデータ化した。席をフリーアドレスにしたことで、社員同士のコミュニケーションが格段に円滑になった。
また、「本来のテレワークの目的は『出社しない』ことより、『もっとも効率的な場所と時間を自分で選ぶ』こと」と木須圭一社長。「会社に来なくても存分に仕事ができる環境を本気で作りたい」と話す。さらに、定型作業を自動化するRPAの導入にも力を入れている。一例として毎月13時間かけていた入力作業が10分に短縮。空いた時間を生産的で創造的な業務に充てられるようになった。
「テレワークの環境整備と仕事の効率化、生産性の向上は一体と考えています」と木須社長。働く環境は大きく改革されたが「まだ完成ではない」と満足には至っていない。今後、さらに社員同士のコミュニケーションが深まり生産性の高い仕事が生まれるオフィスに進化させたいと意気込む。