河北春秋(1/3):道端や祭りの会場で小気味の良い口上から始…

 道端や祭りの会場で小気味の良い口上から始まる大道芸は古くから庶民に親しまれた。曲芸を見せて投げ銭をもらったり、がまの油売りのように商いをしたりと多様な技芸が発達した▼「さて、さて、さては南京玉すだれ」。細い竹を糸で編んで操る南京玉すだれは人気が高い。カラフルな頭巾とはんてん姿の演者がテンポ良く釣りざおや国旗の形などを表し、拍手喝采を浴びる▼大崎市の吉田澄さん(50)は東北では数少ない玉すだれ専門の演者。かつて日光江戸村(栃木県日光市)で勤務し、時代劇に出演する傍ら伝統芸を学んだ。帰郷して結婚。20年ほど前から、子育てをしながら地元の敬老会などで舞台に立った▼お客さんに「さて、さて」の掛け声を手伝ってもらい、一体感を演出するのが持ち味。「懐かしい大道芸に浸って笑顔になってもらうのが一番」。現在は税理士や行政書士を務める夫の事務所で働き、宮城県内の児童館や高齢者施設から招かれて芸を披露する▼吉田さんの「仕事始め」は、仙台初売り初日の2日。例年、仙台市中心部の茶舗から頼まれ、明るいムードを盛り上げる。新型コロナウイルスの感染問題が起きて出番は減ったというが、心待ちにするファンは少なくない。希望に満ちた新年を願って「さあ、お立ち会い」。(2022・1・3)

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