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物件選び&退去のこつ 【特集】さあ 引越しだ!

山形 秀人さん

 家族の一大イベント、引っ越し。新生活の要となる部屋探しや荷物梱包など引っ越し作業は、後悔も失敗もしたくないものだ。そこで春の引っ越しシーズンを前に、その道のプロに極意を教わってきた。

ネットで絞り込み 内見で「住環境」確認

 新居選びのこつを聞こうと、不動産仲介のミニミニ仙台長町店を訪ねた。山形秀人店長は「物件探しは、まずはインターネットで始めるのがお勧めです」と話す。手当たり次第に仲介業者を回った時代はもはや過去。今やネットで目星を付けてから来店予約し、部屋を決めるのが主流らしい。

 試しに賃貸情報サイトで、エリアや予算など条件を入れて検索してみた。間取り図や詳細な情報の他に、各部屋・ベランダなどの写真や動画も掲載され、見ているだけで暮らしのイメージが湧いてくる。「これならスマホで決められますね!」とはしゃぐと、山形さんが「できれば一度は内見していただくとより満足できる物件が選べますよ」とにっこり。

 日当たりや騒音、周辺の建物や道路といった「住環境」は、実際に足を運ばないと分かりづらいからだ。パソコンなど電子機器を多用する現代人にとっては、図面で分からないコンセントの位置と数の確認も重要。遠隔地でも、現地からビデオ通話でつなぐ「オンライン内見」が一般化してきたので、不動産会社に相談してみよう。

 また、気に入る物件が見つからない場合は、予算を5000円アップしたり、対象を隣接地区まで広げたりすると、納得する部屋に出合えることが多いそう。予算面で要チェックなのは、共益費や町内会費、駐車場費など家賃以外に発生する費用。インターネットが無料か自分で契約が必要かも確認しよう。

 進学などで初めての一人暮らしをする場合は、保護者も一緒に来店を。混み合う時期は、家に帰って相談するわずかな間に他の人が契約してしまうことも少なくないという。特に合格発表当日はどの店舗にも人が殺到するため、山形さんは「事前に候補物件を複数選んでおくとスムーズです」とアドバイスする。

 ちなみに、最近は「駅近」や都心より、郊外でも駐車場の安さや部屋数の多さを選ぶ人が以前より増えているとか。コロナ禍でテレワーク化が進んだ影響が出ているのかもしれない。

早めの通知忘れず しっかり掃除が必須

 引っ越しが決まったら、現在の住まいの退去手続きも忘れずに。退去日を決め、管理会社などに「解約通知書」を提出する。期限は退去の1カ月前までと決められていることが多いそうで、その場合「今月末に退去します」と月頭に伝えると、翌月分の家賃を支払う必要がある。退去月の家賃は日割りと月割りと両方のケースがあり、賃貸借契約書に記載されている。

 退去日は、荷物を全て運び出した後に管理会社などが立ち会い、修繕が必要な箇所を確認する。主に壁と床のキズや汚れ、エアコン・換気扇などの設備、タバコのヤニ、ペットの臭いなどの状態を調べ、負担額が決まる。詳しくは国が定める「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を参考に。

 余談だが、山形さんも退去立ち会いをしたことがあるそうで、「借主さんがきちんと掃除したという状態だと、心情的に修理費用を抑えてあげたくなる」とか。退去前の清掃は必須のようだ。

 費用は敷金から差し引かれるのが一般的だが、最近は「クリーニング代」として事前に納めるケースも増えている。

【話を聞いた人】
ミニミニ仙台長町店店長 山形 秀人さん
所/仙台市太白区長町7-10-7 サザンシティネオ長町1階
営/10:00~18:00
休/無休
問/TEL022-746-3232

(河北ウイークリーせんだい 2022年1月27日号掲載)

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