デスク日誌(1/29):歯車

 年明け間もなく、行きつけの店主に「今年の目標、決めた?」と聞かれた。60年近い人生、一度も考えたことがなく返答に窮した。

 さて。今年の目標を考え始めた。仕事の、だ。

 われわれが今年取り組むべき主テーマ。まず東京電力福島第1原発事故で避難し、つらい思いで日々過ごす住民の古里への帰還は、注力すべき取材対象だ。

 働く場確保、インフラ整備…。帰還の足かせは何か。うまく進展しない理由はどこにあるのか。「なぜ?」を根本に据えて取材してもらおうか。

 原発の廃炉も重要な問題だ。弊紙で昨年12月、「廃炉の歯車」の表題で連載企画を始めた。廃炉を巡り生じるさまざまな意見の対立。立場の違いから議論がかみ合わない事態が見られる。

 まるで歯車がかみ合わないように映る現状を多角的に捉える企画で、正解を導き出す狙いはない。読者に原発事故を「わが事」のように考えてもらうための壮大な連載となるだろう。

 待て待て。執筆者の了解なしに企画の趣旨をこのコラムで紹介してしまっていいのか。記者との意思疎通を図り、思考を「かみ合わせる」ことを目標としよう。(福島総局長 本多秀行)

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