トヨタ自動車・豊田章男社長も出場 宮城・利府でラリー大会

タイムアタック区間のグラウンドを疾走する出場車両

 トヨタ自動車がシリーズを主催する自動車ラリー大会「TOYOTA GAZOO Racing ラリーチャレンジ in利府」が15日、宮城県利府町の林道や町道で開催された。県内では初めてで、出場した人たちは日常の風景を切り裂くように疾走した。

 車検を通った市販車をベースにした車で公道などを走る競技。「リエゾン」と呼ばれる移動区間は法定速度を守って走行し、競技区間を1台ずつ走ってタイムを競う。

 スタート地点の町文化交流センター「リフノス」で開会式があり、トヨタ自動車の豊田章男社長や村井嘉浩知事が出席した。自身も「MORIZO(モリゾウ)」の名前で出場した豊田社長は「東日本大震災を受けてトヨタ自動車東日本(大衡村)をつくり、雇用を増やして税金を払い、長期的に一緒に闘おうと決意した。そういう一人としてラリー開催は大変うれしく、ありがたい」とあいさつした。

 県内外の40組が村井知事の合図で次々にスタート。町東部を巡る約40キロのコースを2周し、林道と町営グラウンド、町道の3カ所の競技区間計7キロでタイムアタックに挑戦した。ドライバーと助手席に座る道順を指示するナビゲーターの2人が連携し、砂利道や連続する急カーブなど難所を駆け抜けた。

 町営グラウンドには観戦ブースが設けられ、約2000人が集まった。仙台市若林区の会社員久保敬さん(42)は「初めてラリーを観戦した。同じコースでもコーナリングなどの攻め方が一組ずつ異なり、面白かった」と語った。

 シリーズは2016年に始まり、今年は全国12カ所で展開される。東北は19年の青森県弘前市での大会以来3年ぶりで、関係者によると来年以降も利府町で実施する方針。

 町は宮城県内にトヨタ自動車東日本など自動車関連企業が集積することから、モータースポーツの誘致に力を入れる。熊谷大町長は「利府が東北のモータースポーツの基点となるように今後も盛り上げていく」と話した。

開会式であいさつをする豊田社長=15日午前、利府町

「WRC、いつか東北でやりたい」 豊田社長、復興への思い語る

 利府町でのラリー大会に出場したトヨタ自動車の豊田章男社長は15日、報道機関の取材に応じ、ラリーと東日本大震災からの東北の復興に思いを語った。

 ―レースを終えて。

 「町内会で旗を飾ったり沿道に家族連れらが多かったり、町が一つとなっていた」「初回でここまで盛り上がるのはすごい」

 ―ラリーの普及に必要なことは。

 「リエゾン(移動区間)は公道だが、(マラソンと違い)他の車両や歩行者の動きを制限しない。SS(競技区間)は貸し切っても大半が山。日本は山岳地帯が多く資源はいくらでもある」「車で走るとすぐ暴走行為と言われてしまうが、その点も理解を深めたい」

 ―海外と比べてモータースポーツの盛り上がりが弱い。

 「(一時期のトヨタは)経済が悪くなると、WRC(世界ラリー選手権)やF1を撤退したりした。経済やマーケティングニーズだけでやっている限りは文化にならない。人材育成や良い車作りにつなげて文化的活動になる」

 ―今後の展望は。

 「秘めた希望がある。WRCをいつかこの東北でやりたい」「復興からの状況を、東北にはこういう景色があると、世界に伝える場になる」

 ―トヨタ自動車東日本(大衡村)が発足して10年となる。

 「今後もぶれずに雇用とビジネスを回転させ、利潤を生み、税金を払い続けて社会貢献につなげたい」

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