きらやか銀行・川越浩司頭取

決算について記者会見する川越頭取=13日午後4時半ごろ、山形市のきらやか銀行本店にて

 きらやか銀行(山形市)は13日、2022年3月期の決算を発表した。川越浩司頭取らの会見での主な発言は下記の通り。

 ―今回の決算をどう総括するか。

 内田功一常務「減収増益。経常収益は、有価証券利息配当金といった資金利益が減少したことから減収となった。本業支援による役務取引等利益の増加、経費の減少などにより経常利益は増加し、当期純利益は(赤字に転落した前年から)V字回復を果たした」

 川越浩司頭取「全行員一丸となって本業支援に取り組んできた結果として、V字回復果たすことができた。一定の満足感はある」

 ―与信関連費用は前年比で減少した。

 内田常務「予防的な引当金を計上した前年の状態から戻った分、減少したと考えている」

 以下、発言は川越頭取
 ―業務範囲の拡大にどう取り組むか。

 「『本業支援』の旗の下、山形駅前飲食店応援プロジェクトなど地域貢献の独自の取り組みを複数進めている」

 ―経営統合への考え方は。

 「まずは現在業務提携している仙台銀行と、山形・宮城両県をつながなくてはいけない。現時点では他行から声掛けもないし、自分自身も考えていないとはっきり申し上げておく」

 ―日銀はマイナス金利政策を続けている。

 「現状が続くのではないかという見通しの中で計画を立てている状況だ」

 ―業績はV字回復だが、資本増強は必要不可欠との説明だった。

 「基本的な収益力は間違いなく付いていると思っている。ただ、現在のコロナの影響を受けている取引先は、非常に大きな影響を受けている。実際に影響が出てくるのはこれからとの認識。これまで以上に今後リスクテイク、新たな事業再構築に伴う新規の設備投資や、事業再生に向けて、貸し倒れ引当金をしっかり積み上げてさらに支援していく。事業再生を考えると必要な資金だと考えている」

 ―経営責任についてはどう考えているか。

 「申請に対する経営責任というよりは、地元の中小企業に喜んでもらい地域とともに生きることで本業支援に励んでいる。我々からすると、地元中小企業に対してサポートして支えることが我々の使命であると感じている」

 ―なぜきらやかは手を上げたのか。

 「県内の取引先に温泉旅館業や付随する観光サービス、関連業者を踏まえると相当の比率がある。鑑みると、今後それらを支えて行くにあたっては我々としては公的資金の特例を活用するのが最適という独自の判断だ」

 ―返済しても自己資本比率が7%でも大丈夫という中で、地元を支えるには公的資金が必要という判断か。

 「そういう経営判断をした。これからウクライナ問題もどれだけ長期化するか分からない中、やはり実際に原油価格の高騰や建築資材の高騰までにも影響が出ている。トータルでサポートするため、あらかじめ準備しなくてはいけないという思い」

 ―有価証券の含み損を抱えながら公的資金を申請するのはいかがなものか。

 「基本的には有価証券のところとコロナ特例の申請は目的がまるっきり別だと思っている。有価証券の方はSBIと連携して改善していく。こういう情勢があるので相当含み損をどこもだしているという実態。コロナ資金は地元山形県のエリアで非常に苦しんでいるお客さんが多くいる中、ここに対してしっかりと支援するというのが経営理念の根底にある。それを推し進めることがまずは、きらやか銀行として経営責任を果たすということだと考えている」

 ―返済、地域経済の環境が厳しくなる中どうするか。

 「今回はまずは申請に向かって手を上げるところで、金額についても未定で、設計については当局との話し合いでそこまで至っていないのが正直なところ」

 ―公的資金にはマイナスイメージがつきまとうが、意義は。

 「経営理念にもとづく本業支援、地元の中小企業への思いが非常に強い。13年間、粟野前頭取が進めてきた本業支援を進めてきた確固たる経営理念である。それから考えれば、コロナ特例の公的資金は、単に銀行の自己資金不足を補うものでなく、あくまでもコロナで苦しんだお客様のために使う。国で定めたとおり、我々が勝手に何かに使うものでない。そう考えれば、公的資金の注入は私の中ではごく自然、当たり前の考えだった」

 ―浮上してきたのはいつごろから。

 「今年に入ってから、今年4月から、じもとHDとしてどうするのかということで、全体として今年に入ってから検討し始めた」

 ―公的資金を受ける責任をどう考えるか。

 「既存で借り入れている300億の震災特例の公的資金もこれまでの実績として、新規の貸し出しであるとか、再生支援に限りなく費やしてきた。今回の特例も、入れることが目的で無く、これをどのように活用してどう支えるかということ。それができない場合は責任を問われても仕方がないと思うが、まずはお客様のために使う、支えるというところを見ていただきたい」

 ―公的資金注入にはネガティブイメージはあるが。

 「公的資金注入はひとつの形で、経営理念に基づいたひとつの選択。地元中小企業を支えるためのベストな選択。ネガティブな話もでてくるが、あえてそういったところも受けて、まずはお客さまのために尽くすということが、きらやか銀行としての覚悟ということで見てもらえれば」

 ―地元企業への資金繰り支援と経営改善支援に充てるというが、その額は。

 「コロナで影響が出たというところに限定して、しぼっていく。作業には今着手しているところで、業種は温泉旅館業やサービス、飲食などが対象先になる」

 ―おおよその対象先数は。

 「ざっくりだが、取引先は8300ほどあり、そのうち把握しているのは1600くらいで、だいたい2割くらいが該当する。与信額にしても3業種でだいたい10%になる」

 ―公的資金は過去の返済原資にはならないのか。

 「なりません」

 ―引当等にも充てるのか。

 「そこにも使う」

 ―自己資金で目的にあった地元企業の支援をすることはできなかったのか。

 内田常務「今の収益力でも一定の経営改善支援は可能だと思う。そういう計画もあった。ただ、それ以上のコロナの影響が本年度から強く出てくるのではないか、ウクライナの問題も追加しているので。我々ができるスピードよりも速く支援する必要があるという判断があり、公的資金を活用して対応していきたいということ。時間を早めるということが判断のひとつにはあった」

 ―粟野会長の退任は公的資金注入とは関係あるのか。

 「全く関係ない」

 ―頭取自身が責任をとることは。

 「考えていない」

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