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古着カルチャーin 仙台 【特集】古着ナウいぜ

創業31年の古着店「HOWDY」スタッフの吉岡尚也さん(右)と奥田遥奈さん。2人とも20代前半で、古着は「新しい」と感じる世代だ

 近頃、古着が人気を集めている。特にヤングにバカウケで、1980~90年代のトレンドを知る親と一緒にショッピングを楽しむ中高生も少なくないのだとか。時代背景が浮かぶ古着は知れば知るほどハマるディープな世界。ドキがムネムネしちゃう一着を探しにレッツラゴー!

ジャンル幅広く 希少品も/HOWDY

多彩なジャンルのアイテムが並ぶ店内
米国製リーバイスBIG E 501 デッドストックデニムパンツ(1960年代、49万8000円)

 1991年創業、現存する仙台市内の古着店の中で最も古くから営業する老舗。店舗2階には風格のあるヴィンテージをはじめ、30~90年代の古着や靴、バッグ、アクセサリーがずらり。王道のアメリカンカジュアル、ストリートスタイル、アウトドア系と、オーナーの真山文人さんいわく「オールジャンル」をそろえる。米国オレゴン州ポートランドに倉庫を持ち、現地から独自のルートで買い付けているので、他にはないレアな一品に出合えることもある。リーズナブルな商品も多数用意。米国の古き良き時代を思わせるおもちゃやインテリア雑貨も人気だ。パンツの丈などを調整してくれるので、安心して買えるのがうれしい。

 客層は大学生から70代まで幅広く、30年通う常連客が孫を連れて来店することも。宮城県外から足を運ぶファンも多い。真山さんは「初めて古着に触れる世代にも満足してもらえる商品を提供していきたい」と話す。

Robert Bruceのレーヨンシャツ(50年代、3万2780円)
人気のあるバンドTシャツ(右・86年、1万6280円、左・85年、5980円)

仙台市青葉区一番町1-12-3
TEL022-721-5963
営/平日12:00~20:00
  土・日曜、祝日11:00~19:00
休/臨時休あり

老舗オーナーに聞く 古着カルチャーin 仙台

 なぜ今、若者を中心に古着が人気なのだろう。1990年代の古着ブームを経験している「HOWDY」のオーナー真山文人さんは、「ファストファッションに飽きた世代が1点物を求めて古着屋に来るようになったのでは」と推察する。

 「80~90年代の古着をおしゃれに着こなす芸能人に憧れたり、SNSやフリマアプリで情報を気軽にキャッチできるようになったりした影響もありますね。私は『かっこいい』ものをセレクトしてきましたが、最近は『かわいい』ものが人気だとも思います」

 真山さんが米国で古着の買い付けを始めたのは88年。その頃の日本では、古着といえばミリタリー(軍服)が中心だった。90年代に入り、東京の人気店がアメリカンカジュアルを紹介したのをきっかけに一大古着ブームが巻き起こる。流行は全国に広がり、仙台にも古着店が急増。90年代後半には「古着屋の数が人口比率に対して全国1位の街になったと聞きました」。当時よく売れたのはヴィンテージ。値は張るが良質なものが多く、一生ものとして買い求めた人もいたそうだ。

 「100万都市の仙台は個性的な店が多く、お客さんも多様。オーナーや販売スタッフの年齢によって着こなしの提案が違うのも面白いところです。古着は使用状況や保管環境の違いによって表情が変わるもの。良いアイテムを選ぶためには知識が必要です。ぜひ試着しながら、お店の人と古着談義を楽しんでください」

アウトドア系の商品が豊富/MISSION GENERAL STORE

バッグや靴なども品ぞろえ豊富で、旅行前に来店する人も
米国オレゴン州の花火会社のスタッフTシャツ(90年代、6600円)。職業の他、乗り物、動物の柄も人気

 アウトドア系を中心に、1970~90年代の米国や欧州のアイテム約1000点を、サイズ豊富に取りそろえる。希少性があり、年数がたっても価格が下がらないものが多い。店内はほぼメンズものながら、客層は男女半々。メンズライク、アウトドアスタイルを好む女性からも熱い視線を集めている。

 パタゴニアやL.L.ビーンなどの人気ブランドの他、代表・中島広喜さんの趣味である自転車や登山などをモチーフにしたアイテムも意識して入荷する。「バブル期に作られた商品は質が良く、色味やデザインにぬくもりと元気がある」と中島さん。18歳からバイヤーとして活動してきたため、32歳の若さながら知識と経験は抜群だ。

 中島さんが薦める初心者向けスタイルは、男女問わず「リーバイスのジーンズ+かっこいいTシャツ」。リーバイス501に代表される70~80年代のヴィンテージデニムはもちろん、手頃な価格で気軽に着られる90年代のオールドデニムもチェックしよう。

米国製リーバイス501 ダークインディゴ(1991年、9900円)
レイバンの米国製サングラス(80年代、2万2000円)。発売当時のオリジナル商品。レイバンのサングラスは2000年を境にイタリア製に変わり、大量生産になった
店長の藤田紀香さん。「古着選びで難しいのは自分に合ったサイズを探すこと。分からない時は聞いてくださいね」

仙台市青葉区一番町1-11-23 2階
営/11:00~20:00
休/臨時休あり
info@mission-gs.com
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Tシャツ 3000円から

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Written by 須藤 文音
Photo by 鈴木 信敏
(河北ウイークリーせんだい 2022年6月30日号掲載)

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