仙臺緑彩館 丹野霞園さん 「杜の都」生け花で表現<仙台・緑化フェア支える人たち(1)>
仙台市内で開かれている「第40回全国都市緑化仙台フェア『未来の杜せんだい2023』」。出展者やボランティアとして、花と緑の祭典を支える人たちにスポットを当てた。(7回続き)
緑化フェア主会場の青葉山公園追廻地区で、総合案内所になっている仙臺(せんだい)緑彩館。入り口には「いけばな草月流」の大作が飾られ、来場者を出迎える。
草月流の華道家丹野霞園(かえん)さん(85)=青葉区=は「杜の都や藩祖伊達政宗をイメージし、仙台の豊かな緑や歴史を表した。派手さを見せつつ、品格を漂わせた」と、作品に込めた思いを明かす。
華やかなコチョウランを囲うように、葉の模様が目を引くドラセナやマツを配置。赤く塗った竹で躍動感を加え、未来に向けて街が発展を続けてほしいとの願いも託した。仙台の魅力を発信する拠点に、ぴったりの作品に仕上がった。
4月26日の開幕後も良好な状態を維持するための労をいとわない。毎日午前9時半の開場前、丹野さんや門下生が交代で出向き、水をやったり、傷んだ花や葉を取り除いたりしている。
「そのままだと周囲の花や葉も傷み出す。生けた後も植物は生きている。手間をかけることで元気な姿が保てる」。丹野さんは言い切る。
伊達文化の気概を伝える施設にふさわしい作品となるよう、人知れず気配りを重ねている。
[メ モ] 黒い屋根が特徴の仙臺緑彩館は延べ床面積約2000平方メートル。入り口近くのラウンジには仙台七夕の吹き流しや仙台・青葉まつりの山鉾(やまぼこ)が並び、仙台の観光情報や文化に触れることができる。東北の地酒や伝統工芸品の販売店、カフェを併設している。建物南側に政宗の胸像や伊達家ゆかりの茶室「残月亭」がある。かつては仙台藩の重臣片倉小十郎の屋敷があった。
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