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<音紡ぎ(2)>木々が残した響き

 11日。あの日の後、何回目の「11日」だろう。3桁の回数になるほどの時間がたった。それでも、心がざわつく。学生、同僚、友人の顔が浮かぶ。静まり返った街で嗅いだ泥の臭いがよみがえる。多くの人の人生を変えた11日。

 今年3月のその日を迎える少し前のこと。

 木立の中で、朝からチェーンソーが唸(うな)って…

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