卒業した小学校の校舎は木造だった。夕方、人けがなくなると、階段を上り下りするたびに木のきしむ音が、周囲に恐ろしげに響いた。校舎外のトイレの個室で待っているのは真ん中に暗い穴の空いた便器。いつ、手が出てくるかとびくびくしていた。
だからだろうか。「廃校」と聞くと、怪談の舞台になりそうなおどろおどろし…