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<ごきげんポケット(19)>雪を踏む くどうれいん

 雪だ。朝起きると窓の外がほんのりと暗く、目を凝らすと雪がたくさん降っていた。「ゆき」と思わず声が出る。もう12月なのだから、雪が降ったって何らおかしくないのだけれど、それでも雪に驚いてしまう。東北に暮らして29年、冬になれば雪が降るということはとっくにわかっているはずなのに、それでも毎年その寒さと…