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<仙台フィル・名和俊のふらり酔ってこ>料理と雰囲気 心地よい二重奏|焼鳥三代目 庄之助

焼鳥三代目 庄之助(仙台市青葉区宮町)

木を使った落ち着いた店内。カウンター席に座って、砂田さんの作業を見ていたり、話したりするのが楽しい。テーブル席もある

 店は花京院の国道45号線沿いにたたずむ。外観はこぢんまりとした情緒があり、上品さと高級感を醸し出す。 

 引き戸を開け店内に入る。カウンター席とテーブル席合わせても15席ほどのコンパクトな内装だ。清潔感があり、料理人である気さくな砂田篤士さんご夫妻が出迎えてくれる。 

 カウンターに座り、いざ1人飲みの幕が上がる。今日の飲み物はお薦めされた新酒の「山和」(加美町)。ワイングラスで頂く日本酒はより口当たりが優しく、普段とは違う表情を見せてくれる。 

 お通しには新鮮な野菜を大根おろしで。備え付けで置いてある、唐辛子と山椒(さんしょう)を混ぜた「二味」をこの大根おろしにふりかけて頂くのが、大将のお勧め。これがお酒のあてとしてたまらない。おかわりは必須だ。

色合いが美しい「お通し(野菜と大根おろし)」(手前・660円)。「冷製クリーミーレバー生姜醬油で」(右奥・900円)は、食感が最高。焼き鳥(220円から)は1本ずつ焼き、提供される(撮影のため3本)

 料理の手始めは定番、岩手県産の「南部どり」の「焼鳥の盛り合わせ」。盛り合わせといっても、ここでは、まるでフレンチのコース料理のように丁寧に焼き上げた焼き鳥串を1本ずつ、趣ある佐賀県の有田焼の器で一皿ずつ出してくれる。 

 お肉が熱々で軟らかいうちに食べてほしいという大将のホスピタリティーには心底脱帽である。 

炭火で絶妙な焼き加減に仕上げる砂田さん

 私の1番のお目当ては、「冷製クリーミーレバー」。見た目の美しさはもとより、舌にのせた瞬間に溶け出し、レバーの爽やかな風味が口全体に広がる。初めて食べた時、癖の強いレバーの概念を覆すほどの口溶けは初めての体験だった。 

 この他にも、体の隅々まで染み渡る「鶏白湯スープ」や、どんなに満腹でも締めに必ず食べたい「親子丼」など魅力的な料理が後を絶たない。 

国道45号沿いにあり、白い外観が目を引く

仙台市青葉区宮町1-1 Y’S 花京院 1階
営/17:00~22:00
休/月・火曜
TEL 022-721-1184

【ふらり酔ってこ】
 今回の執筆は、仙台フィルハーモニー管弦楽団コントラバス副首席奏者の名和俊さん。演奏と同じく、料理に合わせてビールや日本酒、ワインを飲み分けます。

写真/田附 絢也

(河北ウイークリーせんだい2024年2月22日号掲載)

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