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中原劇的ボレーで追い付く ベガルタ、決勝T進出へ望みつなぐ

試合終了間際、中原(9)が同点ゴールを決める=ブリラムスタジアム(写真部・鹿野智裕撮影)

 赤土の大地についえかけていた決勝トーナメント進出の夢を、中原の右足がよみがえらせた。

 後半ロスタイムも残り1分を切ろうとしていた時だった。右サイドを駆け上がった蜂須賀からのクロス、渡辺がGKと競ってボールがこぼれるところまではイメージ通り。「ミートして、浮かせないことだけを考えた」。迷いなく右足を振り抜くと、ボールはゴール中央に。敵地1万9000人のファンを押し黙らせた。

 苦しい試合だった。前半はブリラムのスピードある攻めに苦しみ、後半8分にはセットプレーから失点。敵地でどうしても与えたくなかった先制点を献上してしまう。

 ただ、ここからの粘りが素晴らしかった。守備を固めた相手にも焦らず「落ち着いてゲームをしていけば、必ずチャンスは来る」(手倉森監督)。ただ押し込めばいいような絶好機をブリラムが2度、3度と外すうちに女神の心も揺れ動いた。我慢に我慢を重ねて得たわずかなチャンス。それを中原が難しいボレーで決めた。

 5月1日、ホーム江蘇戦が決戦の場となった。「多くのサポーターと一緒に、クラブの歴史をつくっていきたい」(手倉森監督)。チームは息つく暇もなく帰りの飛行機に乗り込んだ。(ブリラム安住健郎)

<たくましさ表現できた 仙台・手倉森誠監督の話>0-0の状態を長く保てればわれわれが隙を突けると思っていたが、後半早々に失点して相手を勢いづけてしまった。それでも最後に追い付き、たくましさを表現できたと思う。こんな遠くまで足を運んでくれたサポーターの力も大きかった。

後半は攻めあぐねる

 仙台は後半ロスタイムに中原が同点弾。敵地で貴重な勝ち点1を手にした。

 前半は一進一退の展開。仙台は高い位置からボールを奪ってカウンターを狙ったが最後の精度を欠いた。ブリラムはサイドを使って攻めたが、得点には至らなかった。後半8分にセットプレーから失点。その後は守備を固めた相手を攻めあぐねたが、ロスタイムに中原が豪快なボレーシュートを決めた。

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