記者を志したきっかけに批評家・小林秀雄の文章を引用したある新聞社のコラムがある。心に残ったのは、「美しい『花』がある。『花』の美しさという様(よう)なものはない」という一節だ。
抽象的な「花の美しさ」を無邪気に語るのではなく、目の前にある一つ一つの「美しい花」にこそきちんと目を向けるべきだ、と自分…