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<大観音の傾き(15)爆破だなんてとんでもない 山野辺太郎>

 水のない円形の池の手前に立って、眼前に高々とそびえる大観音を見上げていた。見る場所によって伸縮自在、ずいぶんと大きさが違う。花咲ケ丘の高台では、手のひらに載せて、そのまま手を丸めたらすっぽりと収まってしまうほどだったのに……。

 白くなめらかな体の表面をなぞりながら視線を下ろしてゆくと、入口になって…