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<記憶の素描(35)芥川賞作家・石沢麻依>そこにはいない分身

 会話の途中で、見えない私が「あ」と小さく声を上げた。先へ先へと言葉を続けながら、ついさっき口にした文を頭の中で思い浮かべる。何かおかしなことを話しただろうか。すると、ぽっかり空いた隙間が目についた。…

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記憶の素描

 仙台市出身の芥川賞作家石沢麻依さんのエッセーです。ドイツでの生活で目にした風景や習慣の妙、芸術と歴史に触発された思い、そして慣れ親しんだ本や仙台の記憶を、色彩豊かにつづります。

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