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土井晩翠ら愛した仙台の「旧針惣旅館」が貸し切り宿に レストラン併設 モダンな内装で復活

洋館(左)を併設した母屋。貸し切り宿とレストランが入る

 仙台市の「杜の都景観重要建造物」に指定されている若林区南材木町の「旧針惣(はりそう)旅館」が、貸し切り宿とレストランの複合施設「HARISO(ハリソウ)」として、2日にオープンした。詩人の土井晩翠ら多くの文化人や学者が愛用した宿をリニューアルし、歴史や文化、人々の交差が生まれる場の復活を目指す。

 旧奥州街道に面した旧針惣旅館は敷地面積が約1180平方メートル。純和風の旅館に平屋の洋館を併設した1932年建設の母屋と、明治中期に造られた土蔵がある。母屋は大地主だった針生家の自宅として建てられ、終戦後から87年まで旅館として使われた。

 気鋭の若手建築家、萬代基介さんの設計でリニューアルした。木造一部2階の母屋は宿泊スペースとレストラン。客室は秋保石などを用いたモダンな内装とし、1日1組限定で最大5人泊まれる。料金は2人で1泊5万円。季節により価格が変動する。

 レストラン「yosemite(ヨセミテ)」は、ミシュランガイドで一つ星を誇る市内の料理店のシェフらが腕を振るう。店内に設けたれんが窯を使い、まきで焼き上げたピザやパスタなどが楽しめる。

 土蔵は宿泊者用の受け付けと菓子店「oxido(オキシド)」を併設する。「酸化物」を意味するオキシドの扉には旅館の屋根の銅板を取り入れ、長い歴史と新たな挑戦を表現した。

 施設の運営会社、針惣の針生拓真社長(36)は「南材木町は下町情緒が残り、ポテンシャルが高い。地域、国内、海外のさまざまな人が歴史や文化、食事を堪能できる開けた場所にしていきたい」と話した。

 宿泊予約は針惣の公式サイトで受け付けている。

純和風の旅館にモダンな内装を取り入れた客室

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