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自民・森下氏、比例名簿の順位にやきもき 衆院選東北ブロックに単独立候補

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 15日公示、27日投開票が決まった衆院選で、比例代表東北ブロック(定数12)に単独立候補する自民党新人の森下千里氏(43)が、名簿登載順位に気をもんでいる。党本部は9日、1次公認候補を発表。宮城県の小選挙区再編で初めて比例に回る森下氏も順位は未定ながら公認された。石破茂首相が裏金事件で党内処分を受けた議員の比例重複立候補を認めない方針を示し、名簿上位に入れば当選の可能性は高まるが、自民への逆風もあり、予断を許さない。(石巻総局・松村真一郎)

街頭で政策を訴える森下氏=宮城県多賀城市

「裏金」議員の重複なし、上位期待も定数減

 石破内閣発足から2日後の今月3日、森下氏は党本部を訪れ、比例東北上位での処遇を求めた。内閣支持率が同日報じられ、厳しい情勢が明らかになっていた。「何とか名簿の上位に入ってほしい」。取材に関係者は祈るように話した。

 前回2021年の衆院選で旧宮城5区に自民新人として立候補した森下氏は、立憲民主党の国対委員長だった安住淳氏(62)に敗れた。自民は比例東北で定数13のうち6議席を獲得したが、重複立候補した森下氏は次点の7位で苦杯をなめた。

 森下氏の地盤、宮城県石巻市は、小選挙区の区割り変更で新4区に再編された。昨年3月の党本部裁定で公認候補予定者には旧4区支部長の伊藤信太郎氏(71)が決まり、森下氏は比例単独に回ることになった。

 以来、森下氏は伊藤氏とつじ立ちをしたり、互いの地盤で集会に参加したり、党勢拡大を図ってきた。ただ、伊藤氏は公示後、連立政権を組み選挙協力する公明党の推薦を得れば、同党を比例で推さなければならない。

 東北の裏金議員の重複立候補が認められなければ、比例の枠を争う「身内」は減るが、今回から比例東北の定数は13から1減となる。自民は裏金問題や世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関係による逆風にさらされ、比例票を減らす可能性もある。

 比例候補者名簿は、公示前日14日の公表が見込まれる。石巻市の党関係者は「自民の比例票は前回(162万8233票)より減ると思われる。厳しい戦いを強いられるだろう」と推測する。

 森下氏の事務所担当者は「上位と下位では天と地の差で、本人も上位に入らないと厳しいと認識している。日々情勢が変わっており、何とか良い処遇になることを期待している」と話している。

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