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盛岡・鉈屋町の街並み、音で感じる 水源のせせらぎや祭りの太鼓 NPOが録音、HPで公開

盛岡市鉈屋町の生活音などを収録した音声コンテンツの再生画面

 歴史的街並みの保存と活用に取り組む盛岡市のNPO法人「盛岡まち並み塾」は、藩制時代の商家などが残る同市鉈(なた)屋町周辺の生活音や祭りの音を収録した音声コンテンツ「まちの音風景」を制作した。担当者は「季節や場所で変化する街の魅力を、ぜひ耳で体感してほしい」とPRする。

 音声は「自然」「暮らし」「伝統行事・祭り」の3分野で計13本。まち並み塾が昨年作った鉈屋町の散策ルートを基に地域を象徴する場所を選び、昨秋から今年夏にかけて録音した。

 江戸時代から生活用に使われてきた水源「大慈清水」や「青龍水」のせせらぎのほか、藍染め職人が染め物をすすぐ音、祭りの太鼓の音などを幅広く収録。臨場感を大切にしようと、お盆の墓参り客の会話や、子どものはしゃぎ声といった周辺音も加工せず残した。

 新型コロナウイルスの影響で地域行事の中止が相次いだ2021年ごろ、住民の「祭りの音が聞けないのが寂しい」との声を受け、音声の保存を発案した。今後は住民による観光音声ガイド制作も検討する。

 企画した岩見麻梨子さん(44)は「鉈屋町出身者の郷愁を呼び起こし、これから訪れる人には『予告編』として楽しんでもらえる。視覚情報に偏りがちな世の中だが、脳内で風景を再生できる音声メディアの魅力を感じてほしい」と話す。

 音声は盛岡まち並み塾のホームページで公開している。関連イベントとして、鉈屋町の住民が街の見どころを紹介するパネル展を、法人の事務所兼ギャラリースペース「大慈清水御休み処」で5日まで開催中。15~25日は同市大通のクロステラス盛岡でミニ巡回展を開く。入場無料。

 連絡先は盛岡まち並み塾019(656)1603。

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