仙台市地下鉄東西線開業から9年 利用者数は最多を更新、沿線の人口増が追い風
仙台市地下鉄東西線は、6日で開業9年を迎えた。9年目(2023年12月~24年11月)の利用者数は1日平均6万5500人で、新型コロナウイルス流行直前の4年目(18年12月~19年11月)の6万2800人を超え、2015年の開業以来最多となった。開業時の需要予測8万人(平日)に届いた月もあった。
1日平均利用者数(全日)の年間推移はグラフの通り。コロナ禍で過去最低だった5年目(19年12月~20年11月、4万5800人)から回復を続け、9年目の増加率は前年比4・6%。月別では、10月が最多の7万2500人。
1日平均を平日に限ると7万5200人。市交通局によると、通勤通学客の増加が全体を押し上げた。
月別では7月が8万600人に達し、初めて需要予測を超えた。最寄り駅が複数ある東北大で30、31日にオープンキャンパスがあり、2日間で延べ20万人弱が乗り降りした効果とみられる。
1日の利用者が最も多かったのは、8月5日に記録した10万7256人。当日は仙台七夕花火祭が行われ、国際センター駅と大町西公園駅(ともに仙台市青葉区)周辺に観覧エリアが設けられた。
1日平均(全日)を駅別に見ると、13駅全てで前年より増加した。最多は仙台駅(青葉区)の2万200人。青葉通一番町駅(同)の6100人、薬師堂駅と卸町駅(ともに若林区)の4700人と続いた。
前年比の増加率は、宮城野通駅(宮城野区)が14・3%増でトップ。卸町駅が9・3%、大町西公園駅が9・1%、青葉山駅(青葉区)が8・1%だった。
大学のキャンパスに近接する駅、マンションやオフィスビルの建設が進む地域にある駅の伸びが目立った。市交通局の千葉義樹営業課長は「沿線人口の増加で、南北線よりも増加傾向が強い」と受け止める。
勾当台公園(青葉区)の再整備工事が本格化し、大型行事の会場が青葉山公園や西公園など東西線の沿線に移行。国際センター駅のそばには、新音楽ホールと東日本大震災中心部メモリアル拠点との複合施設が31年度に開館する予定だ。
千葉課長は「平日の通勤通学客に加え、土日の利用も好調だ。もっと伸びしろはあり、今後も需要増が期待できる」と話す。
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