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秋田の新ブランド牛「がたべこ」誕生 県立大で肥育、脂身少なく「さっぱりとした肉質」

自ら育てた「がたべこ」のステーキを試食する秋田県立大の学生たち

 秋田県立大(秋田市)は12日、循環型の畜産を可能とする短角牛の新ブランド「がたべこ」を発表した。同大の「家畜資源利用促進プロジェクト」の一環で、肥育環境を見直すことで畜産農家の負担軽減を図る。秋田市内の精肉店で販売されている。

放牧増やし畜産農家の負担軽減「課題解決モデルに」

余分な脂身の少ない赤身肉が特徴の「がたべこ」

 「がたべこ」は、大学の牛舎がある同県大潟村の「がた」と、牛を意味する方言の「べこ」から命名した。脂身の少ない赤身肉が特徴で、同大アグリビジネス学科の学生たちが子牛から2年以上かけて肥育した。

 人手不足や輸入飼料の高騰により畜産農家の負担は増している。がたべこは、通常、出荷までに1回行う放牧を2回することで、牛舎内の給餌や清掃にかかる手間を省いた。飼料は、ふんを活用したたい肥で栽培したトウモロコシなどを使う。栄養価の高い飼料を自ら生産することで生産コストの抑制と肉質向上を実現した。

 秋田市内の飲食店で12日に開かれた試食会には、飼育を担当した学生や市内の精肉店経営者ら約20人が参加した。同科4年の佐藤凜さん(21)は「さっぱりした肉質で食べやすい。1頭ずつ愛情を込めて育ててきたのでぜひ味わってほしい」とPRした。

 2019年度から短角牛のブランド化に取り組むアグリビジネス学科の渡辺潤准教授(47)は「畜産農家の課題となっている人手不足解消や、生産コスト抑制につながるモデルケースとして県内に広めたい」と話す。現在は月1頭のペースで出荷しており、今後は仲間になる畜産農家を増やしたい考え。

 「がたべこ」は、秋田市内の精肉店2店舗で販売している。

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