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物流拠点、仙台に続々 フジタが宮城野・岩切に28年1月 コクヨは泉・明通に26年10月

物流施設4棟の完成イメージ

 大和ハウス工業傘下のゼネコンのフジタ(東京)は、仙台市宮城野区岩切地区の土地区画整理事業地内に、大型の物流施設4棟を建設する。JR東北線の線路を挟んだ東隣は、JR仙台貨物ターミナル駅の移転予定地。施設は2028年1月から順次稼働させる。

  同社の「(仮称)岩切物流施設新築計画」の環境影響評価(アセスメント)準備書によると、建設予定地は敷地面積約12万4700平方メートル。4棟とも地上4階建てで、柱をプレキャストコンクリート、はりを鉄骨の混合構造にする。

 延べ床面積は約1万8500~10万平方メートル。各棟内に事務所などを配置し、1階に従業員駐車場や緑地を設ける。給油や洗車の施設はない。26年1月に着工し、27年12月に1棟目の完成を予定する。29年2月までに全4棟の利用を始める。

 物流施設は、高断熱化や屋上への太陽光パネル設置により、化石燃料など1次エネルギーの消費量を50%以上減らした建築物「ZEB Ready(ゼブレディ)」を上回る省エネ性能の認証を目指すという。フジタの担当者は取材に「準備書に記載された内容以上の話はない」と回答した。

 岩切地区の土地区画整理事業は区域面積が約51万平方メートルで、27年3月まで工事が実施される。仙台貨物ターミナル駅は29年度までの移転完了を予定する。

新仙台IDCが入る倉庫の完成イメージ

 文具・オフィス用品大手コクヨは、仙台市泉区明通3丁目に物流センター「新仙台IDC(仮称)」を開設すると発表した。2026年10月の稼働を予定する。最新鋭の自動倉庫システムなどを取り入れ、物流基盤を強化する。

 センターは、泉パークタウン工業流通団地に整備される鉄筋コンクリート一部鉄骨4階の倉庫のうち、2、3階の計約2万3100平方メートルを賃借して開設する。投資額は非公表。IDCは複数の在庫型倉庫を統合した物流センターを意味する。

 膨大な商品を取り扱える自動倉庫システムや無人搬送車を導入。製造、卸、通販の在庫を一つの倉庫内で管理し、高密度保管や作業の生産性向上を目指す。同社は物流センターの整備により、オフィス通販「カウネット」事業や販売店向けの卸売事業を強化する。

 宮城県内のコクヨの物流拠点は、グループ企業のコクヨロジテム(大阪市)が仙台市太白区茂庭に設けている「仙台配送センター」に続き、2カ所目となる。

 コクヨの担当者は「首都圏にあるIDCの負荷分散を実現し、東北に限らず、全国でオフィス用品の仕入れ、流通、販売事業の成長を目指したい」と話した。

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