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第8回仙台短編文学賞大賞に仙台の安堂さんの「相沢のおとうさん」 4月12日に授賞式

 第8回仙台短編文学賞を主催する実行委員会は、大賞が安堂玲さん(54)=仙台市=の「相沢のおとうさん」に決まったと発表した。賞金は30万円。授賞式は4月12日、仙台市青葉区の仙台文学館で開かれる。

 受賞作は、親の離婚で仙台市に移り住んだ小学生の女児が主人公。地元にある眼鏡店「メガネの相沢」の看板に、離れて暮らす父の面影を見いだして話しかけるようになる。選考委員の映画監督・脚本家・小説家岩井俊二さん(62)=仙台市出身=は「とてつもなく強烈な、純粋な、ある種の見慣れない絆に気付かされ、泣きそうになった」などと評した。

 応募総数は318編。実行委の土方正志代表は「作品の質が年々上がる手応えを感じている。東日本大震災を直接的に扱う作品は減ったが、背景に震災を取り上げたものは今も多いのではないか」と総括した。

 実行委は仙台市の出版社荒蝦夷(あらえみし)とプレスアート、河北新報社で構成。大賞と河北新報社賞の受賞作全文、各賞の選評などは3月30日の河北新報朝刊に掲載される。

 次の第9回の選考委員は盛岡市在住の作家木村紅美さん(49)が務める。

 大賞以外の受賞作は次の通り。(敬称略)

 ▽仙台市長賞「未明の雪虫」山碕田鶴(53)=仙台市=▽河北新報社賞「岩手(がんしゅ)」阿部ユ美(61)=同=▽プレスアート賞「父からの手紙」三好純太(63)=東京都=▽東北学院大学賞「こだまのいう通り」北沢昂久(24)=仙台市=

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