閉じる

おいしく楽しい【特集】団子、だんご、ダンゴ

 春、花見。であれば花より団子。美しい花と同じように、私たちを楽しませ、心を浮き立たせてくれ、おいしく楽しい団子を探した。

■《王道》ぶれぬ安定の味

 手軽なお茶請けに、手土産に、老若男女に愛される串団子。昔ながらの「王道」から斬新な味わいの「革新」まで、多彩な魅力の8本を紹介する。
※各店とも季節限定商品は早めに終了する場合がある

〇国内外を魅了する逸品 ~花笠だんご本舗 朝市店~ 「ずんだ」160円

 1972年に山形市で創業した団子とおこわの専門店。現在は青葉区の仙台朝市に店舗を構え、地元ファンはもちろん国内外から訪れる観光客にも人気。コメのまま2度蒸したひとめぼれを練って作る滑らかな自家製団子は、もちもちの食感とコメのうまみが抜群。添加物や水を加えず枝豆と砂糖、塩のみで作った餡を、注文を受けてから塗る「ずんだ」が、注文の9割を占める看板商品だ。製造量が限られ、午前中に売り切れる場合が多いので注意。

・こちらもお薦め だんご(みたらし・こしあん・ごま)各160円

花笠だんご本舗 朝市店
仙台市青葉区中央4-3-27 仙台朝市内
TEL022-261-7803
営/8:00~15:00(団子がなくなり次第終了)
休/臨時休あり

〇焼き目つけて香ばしく ~十勝屋~ 「焼きだんご しょうゆ」110円

 店主夫妻と長男夫妻の家族4人が切り盛りする、開業44年目の和菓子店。「胴搗(どうつき)」と呼ばれる方法で製粉された上質な上新粉を使い、粉の状態を見極めて日々微調整を加えながら店内で作るつきたての団子は、滑らかな口当たりとこし、うるち米の豊かな風味が抜群。表面に香ばしい焼き目をつけ、甘塩っぱい自家製しょうゆだれをたっぷり絡めて提供する。看板商品の甘納豆と同じ北海道産小豆を炊いて作る上品なこしあんも人気だ。各110円、毎月10日は10円引き。

・こちらもお薦め 焼きだんご(こしあん・ごま・ずんだ・のり・くるみ)各110円

十勝屋
仙台市泉区南光台4-20-4
TEL022-234-5500
営/9:30~19:00(祝日は17:00まで)
休/日曜

Instagram

〇品良く色めく3種の味 ~クラフト三笑~ 「福だんご 三色だんご」150円

 二口街道沿いで土・日曜、祝日のみ営業。35年前の創業時から、餅の中にあんが入った「福だんご」を作っている。ショーケースに並ぶ色とりどりの団子は添加物を使わないのが信条で、うるち米を中心に仕上げた餅は自然の材料で色付けしている。一番人気は3つの味が楽しめる「三色だんご」。上から、ニンジンで黄色にした餅はごまあん、白い餅は粒々を残して風味を際立たせたくるみ、よもぎ餅は粒あん入り。一口サイズの餅と、甘さ控えめのあんが上品に調和している。

・こちらもお薦め 「福だんご(ずんだ・さくら)」各150円

クラフト三笑(さんしょう)
仙台市太白区秋保町馬場町北13-4
TEL022-399-2396
営/10:00〜16:00
休/平日

〇茶豆の風味と粒々食感 ~だんご茶屋あらまち 永藤本舗~ 「ずんだ」155円

 創業77年目、現在の場所で37年目を迎えた老舗和菓子店。東日本大震災でそれまで使っていた上新粉が手に入らなくなったため別の上新粉に切り替え、改良を重ねて現在のしっとり柔らかめの団子の製法を確立した。餡は全て自家製だ。中でも薄皮を外した茶豆種と砂糖、塩のみで粒々の食感と風味を生かして作る「ずんだ」は、まとめ買いするリピーターが多い看板商品。「純練りごま」に砂糖、白あんを加えた「ごま」も人気。日によって、シェアしやすいカップ入り団子も並ぶ。

・こちらもお薦め 「だんご(あんこ・醬油・ごま)」各150円

だんご茶屋あらまち 永藤本舗
仙台市若林区東九番丁145
TEL022-223-3434
営/9:00~18:00
休/日曜、祝日(花見時季やゴールデンウイークは営業する場合も。SNSで確認を)、臨時休あり

Instagram

▷コメ、上新粉 製法多彩に
 うるち米をコメのまま蒸してつぶしたり上新粉を使ったりと、串団子の製法は店によりさまざま。ちなみに、仙台市内では、似た形状の菓子として平らな「餅」を串に刺した和菓子も人気を集めている。

■《革新》おいしさ想定外

〇炭火であぶり焼きたてを ~おきたまや~ 「令和だんご」500円

 創業した令和元年に発売したことから命名。直径4㎝の食べ応えのある餅が3つ連なり、今年から店先でお客さん自ら炭火で焼く楽しい体験要素がプラスされた。味は日替わりで、取材日は上から、明太子と焼きのり、甘辛いみたらし、田楽みその3種の組み合わせ。炭火であぶると醬油や味噌の香ばしさが食欲をかきたて、餅はふわっと軟らかくなり、新たなおいしさに出合える。販売は10:00〜16:00ごろ。持ち帰りもできるので、自宅でもあぶって召し上がれ。

・こちらもお薦め 「肉巻だんごメガ 600円、チョコだんご 300円から

おきたまや
宮城県名取市閖上中央1-6 かわまちてらす閖上内
TEL022-797-1660
営/10:00〜17:00
休/火曜(祝日は営業)、臨時休あり

Instagram

〇見た目も味も春らんまん ~だんごとおこわ うさぎ屋~ 「さくらクリームだんご」324円

 薄紅色のあんは白あんに塩漬けした桜の葉が加えてあり、優しい甘さと清涼感が魅力。棒状にして切った生地は国産うるち米を原料に、粒子の細かさを大小変えてひいた上新粉を使うことで滑らかな口当たりにし、2度冷やして適度なこしも生み出している。ふわっと軽いホイップ、桜吹雪のように散らしてある桜風味の削りチョコとともに口に運ぶと、和と洋の要素がおいしく融合した無二の味わい。見た目も味も春らんまんな1本は、5月6日(振休)ごろまでの販売予定。

・こちらもお薦め 「いちごだんご 」400円(春限定)、「ずんだだんご」 184円

だんごとおこわ うさぎ屋
仙台市宮城野区高砂1-17-15
TEL022-254-7668
営/8:30〜17:00(土・日曜、祝日は15:00まで)
休/無休

Instagram

〇春限定のミルキーいちご ~みやこがね本舗~ 「千代だんご(いちごミルクあん)」152円

 百貨店や商業施設の催事にも出店している和菓子店。団子「千代だんご」は「あんこ」「ずんだ」など定番の味に加え、季節限定商品も用意している。「いちごミルクあん」は工場併設の小松島の店舗でのみ購入できる春限定の味。もちもちの餅に、いちごピューレを合わせたクリーミーな白あんがのる。近所の東北医科薬科大の学生をはじめ、老若男女に親しまれる人気の商品だ。販売は4月末まで。店舗前の小松島公園は池沿いの桜が美しく、花見がてら買いに行ってみて。

・こちらもお薦め 「千代だんご(桜あん)」152円※4月末まで販売、「よもぎ千代だんご(こしあん)」141円

みやこがね本舗
仙台市青葉区小松島4-15-20
TEL022-739-8836
営/12:00〜17:00
休/日・月曜

Instagram

〇ぷちぷち玄米にカレー ~はすのはねカフェ~ 「松島産金のいぶき玄米団子『カレー』」550円

 松島の美景を臨むカフェが提供しているのは、通常の玄米よりも胚芽が大きく栄養価の高い「金のいぶき」など松島産米を使ったさまざまな創作団子。中でも「カレー」は温かな団子に宮城県産豚肉のひき肉たっぷりのキーマカレーを絡め、ピクルスを添えた食事系メニュー。辛さ控えめで玄米のぷちぷちとした食感も魅力だ。甘味系はフルーツやホイップクリームをトッピングしたり、クロワッサンに挟んだりと、バリエーション豊か。いずれもテイクアウト可。

・こちらもお薦め 「松島産ササニシキ白米ホイップフル盛団子(キャラメル、チョコ、いちご、ずんだなど)」各380円

はすのはねカフェ
宮城県松島町松島町内75-14 松島離宮海の駅 4階 TEL050-6869-0366
営/平日13:00~17:00(LO16:30)、土・日曜、祝日11:00~17:00(LO16:30) ※冬期変更あり
休/臨時休あり

Instagram

▷季節限定の味 探してみて
 季節限定の味を提供するお店は多く、近年は旬のフルーツにチョコやクリームをあしらった製品も少なくない。「映えておいしい」季節の団子を探してみよう。

(河北ウイークリーせんだい2025年4月3日号掲載)

関連リンク

ライブカメラ