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船の労働環境改善を義務化 乗組員不足で法改正案

 国土交通省=東京・霞が関

 国土交通省は船員法などの改正案を通常国会に提出する方針を固めた。貨物船、旅客船などの乗組員不足への対策が柱で、船主に労働環境改善の努力義務を課し、志望者の増加につなげる。関係者が22日明らかにした。

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 環境改善の具体策は国交省が指針で示す予定。船内の生活空間である船員室を充実させ、プライベートな時間を快適に過ごせるようにするほか、インターネットの高速化、浴室やジムといった疲労回復施設の整備などを想定している。

 また船員の門戸を広げるため、希望者と求人側を結び付ける無料の職業紹介事業を自治体ができるようにする。現在は業務の特殊性などから、国のほか、許可を得た漁協や水産系の学校などしか紹介事業ができない。

 国交省によると船員数は2023年10月時点で約6万3千人。働き方改革による1人当たりの労働時間減少を補うため人手が必要となっており、23年は約1万5千人の新規求人があった。しかし新規求職者は約3千人にとどまり、運航業務が滞りかねない状況となっている。

共同通信