米LNGの輸入拡大伝達へ 石破首相、資源外交で関係構築
石破茂首相は7日の日米首脳会談で、米国産の液化天然ガス(LNG)の輸入を拡大する意向を伝える方針を固めた。複数の政府関係者が5日明らかにした。輸入増はLNGの安定調達につながり、トランプ大統領が掲げる化石燃料の増産方針に合致するためだ。両国に利点がある資源外交でトランプ氏との関係構築を模索する。石破氏は6日渡米する。
LNGを輸入に頼る日本には調達先の多角化は電気・都市ガスの安定供給に欠かせない。ロシアのウクライナ侵攻で調達リスクが顕在化し、料金高騰を招いた。昨年12月に公表したエネルギー基本計画でも「LNG長期契約の確保を促進する」と明記した。
経済官庁幹部はLNG輸入拡大の提案がトランプ氏の気を引く「選択肢の一つ」と明かした。大手ガス会社の幹部も「地政学リスクを踏まえれば、米国との取引が最重要になる」と断言した。
財務省の貿易統計によると、足元の米国のLNG価格は、日本の輸入量が最も多いオーストラリアより1割程度安い。
一方でLNGは民間主体で契約しており、価格や条件面の交渉に時間を要する。
共同通信