【独自】消防職場でハラスメント多発 初の全国調査、176件判明
全国各地の消防本部や消防署で2023年度に暴力や性的嫌がらせなどハラスメント行為が少なくとも176件発生し、幹部級を含む206人が懲戒処分されていたことが16日、総務省消防庁による初の実態調査で分かった。有識者は厳しい上下関係や階級制などの特殊な職場環境が背景にあると指摘。放置すれば人材確保が一層難しくなり、地域の防災力低下につながる恐れもある。再発防止に向け、同庁は研修強化など対策を呼びかける通知を出した。
各地の消防でハラスメントが相次ぎ、同庁は24年7〜8月、全都道府県の担当部署に23年度の実態報告を求めた。
集計結果によると、最多はパワハラで145件。次いでセクハラ19件、パワハラやセクハラなどが複合した「複数のハラスメント」が11件、妊婦への嫌がらせ「マタハラ」は1件だった。上司から部下へのハラスメントが83・5%を占め、同僚から同僚は15・3%、部下から上司は1・1%だった。処分内容は1人が免職、17人が停職、43人が減給、32人が戒告、半数超の113人が訓告など。