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侵攻3年、ウクライナ窮地 米国はロシアに接近、欧州と亀裂

 2022年4月(上)と今月18日のウクライナ・キーウ近郊ブチャ。ロシア軍との激しい衝突で破壊された町は、新たな住居や歩道が整備されていた(共同)

 【キーウ共同】ロシアのウクライナ侵攻から24日で3年。ウクライナは国土の約2割を占領され、両軍とも数十万人規模の死傷者を出す激戦で、第2次大戦後の欧州で最悪規模の戦争となった。双方が条件を譲ることはなく、和平への出口は見えない。トランプ米政権はウクライナに寄り添った前政権の方針を大転換してロシアに接近、頭越しに協議を開始した。ウクライナは窮地に立たされ、米欧の亀裂も拡大している。

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 和平達成の成果を急ぐトランプ大統領は、ウクライナのゼレンスキー政権が求める北大西洋条約機構(NATO)加盟は「現実的ではない」と突き放す。一方で報道によると、戦争終結後にロシアが再侵攻した場合は加盟を自動的に認める案も検討。ただロシアが譲歩する可能性は低く、ウクライナの安全保障の枠組みは宙に浮いている。

 トランプ氏は、ゼレンスキー氏を「選挙を経ていない独裁者」と批判。「ウクライナは戦争を始めるべきではなかった」と述べ、侵攻国ロシアに肩入れ。ウクライナに希少な鉱物資源供与も迫り、不利な条件を突きつけている。

共同通信