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地球のCO2増加量が過去最大 人工衛星いぶきで宇宙から観測

 温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」のイメージ(JAXA提供)
 二酸化炭素濃度と年増加量の推移

 人工衛星「いぶき」で観測した地球の大気中の二酸化炭素(CO2)濃度を環境省などが分析した結果、2024年は前年からの増加量が観測を始めて以降では最大の3・5ppmだった。化石燃料を使う人間の活動や、世界各地の森林火災などが影響しているとみられる。

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 同省と国立環境研究所、JAXAは09年4月から温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」でCO2とメタンの濃度を観測している。地球全体の大気中のCO2濃度は、24年の平均が421・3ppmで、観測以降最も高く、前年からの増加量でも過去最大だった。

 CO2濃度は観測当初の10年は388ppmだったが上昇が続いている。前年からの増加量は平均で毎年2・4ppmで、これまでは16年の3・1ppmが最大だった。

 欧州連合(EU)の気象情報機関によると、24年の平均気温は産業革命前の水準を1・6度上回り最高記録だった。宇宙からの継続的な観測からも、地球温暖化の傾向が裏付けられた形だ。

 CO2は高度で濃度差が生じるため、地上からの観測だけでは正確な把握が難しい。

共同通信

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