除染土再利用検討と私見 福島県の双葉町長、環境相に伝達
東京電力福島第1原発事故に伴う除染土の中間貯蔵施設が立地する福島県双葉町の伊沢史朗町長は24日、福島市で浅尾慶一郎環境相と会談し、除染土を町内で再利用することを検討するとの私見を伝えた。終了後の取材に伊沢氏は、除染土の県外最終処分の議論が進まない中、「理解醸成」が発言の目的だと説明。個人的な考えだと強調し、町として「今、具体的な計画はない」と述べた。
会談は非公開で実施。環境省などによると、伊沢氏は現状への危機感を浅尾氏に伝達。浅尾氏は「しっかり国としてやっていく」と応じた。
国は最終処分量を減らすため、1キログラム当たり8千ベクレル以下の除染土を公共工事で再利用する方針を示すが、首都圏での実証事業は住民の反対で事実上頓挫した。伊沢氏は記者団の取材に「福島でつくったエネルギーが首都圏で使われていたことが知られていない。発信しなければ(最終処分や再利用への)理解醸成につながらない」と訴えた。
その上で「町のインフラ整備で必要になったタイミングで、住民や議会の理解を得ながら(再利用を)考えていきたい」と述べた。