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【独自】軍艦島建物一部崩壊の危機 17棟耐震性半分以下と判明

 海に囲まれ、塩害による劣化が進む長崎市の端島の建物群=2024年10月

 今夏で登録10年を迎える世界遺産「明治日本の産業革命遺産」を構成する長崎市の端島(通称・軍艦島)の建築物群の劣化が進み、一部が崩壊の危機にひんしていることが3日、分かった。専門家調査で、主な大型建築物計30棟のうち少なくとも17棟で、建設時に比べ耐震性能が半分以下になっていることが判明した。老朽化や塩害が要因。即座に倒壊につながるわけではないが、軍艦に似たシルエットが将来損なわれる恐れがあると専門家は指摘する。

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 調査したのは東大や芝浦工大などの大学教授らでつくる「軍艦島コンクリート系建築物の健全度調査小委員会」。2015年9月、島内の一般客が立ち入れない区域にある30の鉄筋コンクリート造建物について、階ごとの柱や梁の劣化度を調査してきた。

 専門家らは独自の計算法で建設時と比較し、どの程度耐震性能が残っているかを示す「残存率」を算出。国内最古の鉄筋コンクリート造のアパートとして知られる30号棟は3%まで減少。昨秋時点でいつ崩れてもおかしくない「末期症状」(専門家の一人)という。

共同通信

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