告発への報復を捜査対象に 通報者保護、公務員処分も
政府は4日、公益通報者保護法の改正案を閣議決定した。通報を理由とした解雇や懲戒処分などの「報復行為」に刑事罰を導入し、内部通報者の保護を強化することが柱。報復を受けたとする通報者による告訴や被害届などをもとに、捜査が行われることを想定している。公務員の分限免職や懲戒処分も対象となる。
内部告発者に対する不利益な取り扱いが大企業や自治体などで問題化する中で、通報内容に適切に対応するため、実効性の向上と体制整備の徹底を目的とした。一方、嫌がらせや人事異動などは罰則の対象外とされた。
改正案では、通報を理由とした解雇に関与した関係者に6月以下の拘禁刑か30万円以下の罰金を科す。法人に対しては、不正発覚の遅れが大きな社会的被害につながるとし、3千万円以下の罰金とする。
ただし、対象となるのは「通報を理由とした」行為と限定される。処分した側とされた側で理由を巡って争いが起きることも想定され、刑事処分では捜査機関の判断が重要となってくる。