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作家の曽野綾子さん死去、93歳 エッセー「老いの才覚」

 書斎で取材に応じる曽野綾子さん=2013年12月、東京都内
 曽野綾子さん

 小説「神の汚れた手」やエッセー「老いの才覚」で知られる作家で、文化功労者の曽野綾子(その・あやこ、本名三浦知寿子=みうら・ちずこ)さんが2月28日午後2時59分、老衰のため、東京都の病院で死去した。93歳。東京都出身。葬儀は近親者で行った。

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 聖心女子大在学中に参加した同人誌「新思潮」で、後に文化庁長官を務めた作家三浦朱門さんと知り合い、結婚。54年に「遠来の客たち」が芥川賞候補となり、有吉佐和子さんや瀬戸内晴美(寂聴)さんとともに「才女時代」の到来と注目された。

 妊娠中絶の問題を扱った「神の汚れた手」や、大久保清事件をモチーフにした「天上の青」など社会問題を扱った小説のほか、宗教、戦争などに鋭い洞察力を発揮した作品を発表。エッセー「誰のために愛するか」(70年)が200万部を超え、70代後半で発表した「老いの才覚」(2010年)も100万部のベストセラーになった。

 1995年から日本船舶振興会(現日本財団)会長を約10年間務めた。敬虔なクリスチャンで知られ、社会活動にも精力的に取り組んだ。

共同通信

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