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訪日客の波、全避難の福島の町に 「ダークツーリズムの一つ」

 福島県双葉町の東日本大震災・原子力災害伝承館を訪れた人たち=2023年9月

 東京電力福島第1原発事故による全町避難が続いた福島県双葉町に訪日客の波が押し寄せている。避難指示が一部で解除され、事故を伝える施設が完成。中国語や英語を駆使する支援員がJR双葉駅旧駅舎に駐在し、町の魅力を案内している。

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 れんが調の旧駅舎は、住民の休憩スペースと観光客の案内所となっている。訪日客に母国のステッカーを貼ってもらうコーナーがあり、1月時点で国数は43カ国に。中国が圧倒的に多く、約180枚中の3割に上る。

 訪日客向け観光アプリを展開するナビタイムジャパンの分析データによると、2023年1〜8月の訪日客数を19年同期と比べた伸び率で、双葉町は全国の市町村で3位だった。

 東京から遠い小さな町になぜ訪れるのか。旧駅舎に駐在する復興支援員が尋ねると「ダークツーリズムの一つ」「原発事故がまた起きないため何をしたらいいかを考えたい」との答えが多い。

 双葉町は原発事故で全域に避難指示が出され、5年前に初めて一部が解除された。開館した「東日本大震災・原子力災害伝承館」には、24年に約4千人の外国人が訪問した。

共同通信