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高額療養費「受診抑制を防ぐ」 首相、がん患者と面会調整

 参院予算委で答弁する石破首相=5日午前

 石破茂首相は5日の参院予算委員会で、医療費の支払いを抑える「高額療養費制度」の利用者負担上限引き上げに関し、8月からの実施に理解を求めた。制度の在り方に関し「持続可能性と、受診抑制が起こらないことの両立を図りたい」と強調した。がん患者らとの面会を調整する考えも示した。予算委は2025年度予算案に関する基本的質疑を実施。参院での論戦がスタートした。

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 立憲民主党の田名部匡代氏が上限引き上げの全面凍結を主張したのに対し、首相は「患者団体の声も踏まえて、私どもとして最大限の判断をしたものだ」と説明。田名部氏は高額療養の実情を知るために、がん患者らと面会するよう求め、首相は「日程は調整したい」と応じた。

 参考人として出席した全国がん患者団体連合会(全がん連)の轟浩美理事は「命を落とす患者が生まれてしまうことを強く危惧している」と訴えた。

 首相は同じ会社に長く勤めるほど退職金への課税が優遇される制度に関し「雇用の流動化を図っていかなければならない。慎重な上に適切な見直しをすべきだ」と指摘した。

共同通信

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