シリア衝突、死者千人規模か 暫定政府への批判、高まる可能性
【カイロ共同】シリア北西部ラタキア周辺などで起きた暫定政府の治安部隊とアサド旧政権支持者らの武装集団による衝突を巡り、シリア人権監視団(英国)は8日、死者が市民を含めて千人規模に上ると伝えた。暫定政府は融和を訴えているが、内戦で深まった宗教・宗派間の対立解消は困難で、暫定政府への批判が高まる可能性がある。
監視団によると、700人以上の市民が犠牲になったほか、治安部隊と武装集団の双方で計250人以上が死亡した。監視団は、銃器を持った人々が暫定政府側に加勢したことで犠牲者数が拡大した可能性があると指摘した。
衝突は6日に始まった。監視団によると、ラタキアや西部タルトス、中部ハマなどで市民が殺害されたという。ラタキアなど地中海沿いはアサド前大統領と同じ少数派のイスラム教アラウィ派が多く暮らす地域で、旧政権の支持基盤だった。
中部ハマのアラウィ派の女性(37)は共同通信の取材に対し「友人の家族全員が殺害された」と訴えた。アラウィ派を狙った「虐殺」だと主張し「外出するのが怖い」と話した。