東京大空襲80年、継承誓う 民間人被害の補償要求
太平洋戦争末期の1945年、一晩で10万人が命を落としたとされる東京大空襲から10日で80年となった。東京の後も名古屋や大阪、福岡などの都市への空襲が相次いだ。被害者や遺族らは民間人の戦争被害を補償する救済法の制定を国に求めている。戦後生まれが総人口の87%以上になり風化が懸念される。東京都内では追悼の法要や式典が営まれ、参列者は継承を誓った。
犠牲者の遺骨が納められている東京都慰霊堂(墨田区)の法要には、遺族ら約160人が参列した。秋篠宮ご夫妻らも参列し焼香された。
義父が亡くなり、遺族代表として参列した墨田区の田中洋子さん(81)は取材に「あちこちで戦争が起きていて、苦しい思いをしている人が、たくさんいる。そういった世界がないように願って手を合わせた。誰かが話して受け継いでいかないといけない」と語った。
10日を「東京都平和の日」と定める都も都庁で式典を開いた。
都によると、昨年1年間で新たに犠牲者94人の氏名が判明。都作成の犠牲者名簿の人数は計8万1583人になった。