札幌、無許可開設の動物園閉園へ 運営会社「法令重く受け止め」
札幌市南区の民間動物園「ノースサファリサッポロ」が必要な許可を得ずに開設された問題で、運営会社「サクセス観光」(同市)は10日、9月末までに閉園する方針を、園のホームページ上で公表した。「法令上の問題を重く受け止め、決定した。突然のご報告となり、心よりおわび申し上げる」としている。
飼育する動物の今後については「適切な環境での管理を継続するため、慎重に対応を進めている」としている。市の担当者によると、閉園の方針について会社側から事前の説明はなかった。
動物園は05年に開業。敷地全域が土地の開発や建築が制限される「市街化調整区域」にあり、飼育施設などの建設には事前に市の許可が必要となる。市は04年に違法な建築を確認し、行政指導を繰り返してきたが、建物は増え続けた。市は昨年の調査で、獣舎や物置など156棟の違法建築を確認し、施設の撤去命令を出す検討に入っている。
市などによると、国道沿いの5カ所で道路管理者の許可を得ずに看板を設置し、届け出をしないまま水道管を増設するなどの問題も判明した。